遺品整理や生前整理では、遺言書の存在が非常に大きいですが、専門知識がないと取り扱いが難しいという問題があります。
そこで今回は、「生前整理する方」と「遺品整理する方」のそれぞれに、遺言書の概要について解説します。
「生前整理を考えている」「これから遺品整理する」などといった方向けにわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
【生前整理】遺言書の概要
生前整理における遺言書の扱いやポイントなどについて、以下の2つの観点から解説します。
- 遺言書の種類
- 遺言書の効力
「身の回りの物の片付け」「財産目録の作成」「遺言書の作成」の3つを達成して、はじめて生前整理が完了します。
遺言書への理解を深め、ぜひ生前整理に役立ててください。
遺言書の種類
遺言書には、以下の2種類が存在します。
自筆証書遺言書 |
|
---|---|
公正証書遺言書 |
|

それぞれにメリット・デメリットがあるので、どちらの遺言書を作成するかはよく検討しましょう。
遺言書の効力
遺言書には、以下の効力が存在します。
効力 | 内容 |
---|---|
財産の分配や処分に関すること |
|
身分に関すること |
|
遺言執行に関すること |
|
ただし、「相続割合の指定」「遺産分割方法の指定」「遺贈」についての効力は絶対的ではありません。相続人の意思で、遺言書の内容によらない対応ができます。
【生前整理】自筆証書遺言書の保管制度について
遺言書の作り方のまえに、自筆証書遺言書の保管制度について解説します。
自筆証書遺言書は、手軽に作成できるメリットがある一方で、以下の問題を抱えています。
- 存在に気づかれないケース
- 内容を書き換えられるリスク
- 無効な遺言書になるリスク
- 検認手続きの手間
遺言書を作成しても、見つけてもらえなかったり内容が無効とされたりしては、本末転倒です。自筆証書遺言書の保管制度に則った作成をして、法務局に預かってもらえば、遺言書の効力を確実に発揮できるでしょう。
参考:知っておきたい遺言書のこと。無効にならないための書き方、残し方|政府広報オンライン
【生前整理】遺言書の作り方
自筆証書遺言書は、以下の4つの内容を記載する必要があります。
- 本文
- 作成時の日付
- 作成者の氏名
- 作成者の印鑑
なお、遺言書に財産目録の添付および書き間違いの修正をする際は、以下を参考にしてください。
(2)自書によらない財産目録を添付する場合
財産目録は、パソコンで作成した目録や預金通帳や登記事項証明書等のコピーなどを添付する方法でも作成可能です。その場合は各ページに自書による署名と押印が必要です(両面コピーなどの場合は両面に署名・押印が必要です。)。
自書によらない財産目録は、本文が記載された用紙とは別の用紙で作成する。(3)書き間違った場合の変更・追加
遺言書を変更する場合には、従前の記載に二重線を引き、訂正のための押印が必要です。また、適宜の場所に変更場所の指示、変更した旨、署名が必要です。
保管制度を利用する場合の遺言書の作り方
保管制度を利用する場合は、以下のように決められた様式を使って遺言書を作成する必要があります。
①用紙について |
|
---|---|
②片面のみに記載する |
|
③各ページにページ番号を記載する |
|
④ホチキスで綴じない |
|
表の①~④を遵守しないと法務局に預けられないため、注意してください。
【遺品整理】遺言書の役割とは
遺言書は、故人の財産分与にかかわる法的な書類であるため、相続人はその内容に沿って遺品整理を進める義務があります。
遺言書には、「誰に何をどれくらい相続させる」や「〇〇に遺贈する」という内容が書かれています。
【遺品整理】遺言書の探し方
遺品整理時は、以下の3つの方法で遺言書を探しましょう。
- 遺品から遺言書を探す
- 公証役場で遺言書を検索する
- 法務局で遺言書を確認する
それぞれ解説します。
法務局で遺言書を確認する
故人が自筆証書遺言書の保管制度を利用している場合は、法務局で遺言書を探せます。
ただし、故人が明確に保管制度を利用しているか、そうでないかで申請書類が異なるため注意が必要です。
- 利用している場合:遺言書情報証明書の交付請求をする
- 利用が定かでない場合:遺言書保管事実証明書の交付請求をする
遺言書情報証明書の交付請求をする場合、相続人全員に対して通知が行くことには留意しましょう。
公証役場で遺言書を検索する
故人が公正証書遺言書を作成していた場合、以下の必要書類を持参することで、日本公証人連合会の遺言書検索システムで遺言書を検索できます。
請求者が相続人の場合 |
|
---|---|
請求者が相続人の代理人の場合 |
|
検索システムは日本全国対応なので、利用の際は最寄りの公証役場を探して行くことをおすすめします。
遺品から遺言書を探す
法務局や公正役場で遺言書が見つからない場合、遺品のなかから探し出す必要があります。
まずは、故人の自宅のタンス・引き出し・棚・机のなかなどをくまなく探しましょう。それでも見つからない場合は、貸金庫に保管されていないか銀行で確認するのも手です。
「どこにもない」という状況であれば、遺言書がないものとして遺品整理を進めてください。
【遺品整理】遺言書を見つけたら
自宅や貸金庫から遺言書が見つかった場合は、必ず家庭裁判所で検認の手続きを踏む必要があります。
勝手に開封すると、民法の過料に該当し、5万円以下の支払いを命じられるため注意してください。
ただし、法務局の自筆証書遺言書の保管制度を利用している場合は、検認する必要はありません。
検認の手続きは煩雑なので、「自分ではできない」と思った際は、弁護士もしくは司法書士に相談すると良いでしょう。検認の費用相場は、弁護士だと10〜15万円、司法書士だと5〜8万円となっています。
【遺品整理】遺産分割協議後に遺言書を見つけたら
遺産分割協議後に遺言書が見つかった際は、以下の2パターンのどちらかを選択する必要があります。
- 遺産分割協議をやり直す
- 遺言書に基づいて遺産分割する
注意点は、「遺言書で第三者の遺言執行者が選定されている」もしくは「相続人以外に遺贈している」ケースでは、遺産分割協議ができない可能性があることです。
遺産分割協議後の遺言書の発見は、相続人同士のトラブルを巻き起こすリスクが潜んでいるため、すぐさま専門家への相談をおすすめします。
生前整理・遺品整理にお困りの方は専門家へ相談しましょう
生前整理・遺品整理で困りごとがある際は、すみやかに各専門家へ相談することがポイントです。
生前整理・遺品整理では、専門分野の知識が問われるケースがたびたび発生し、悩むことが少なくありません。遺言書に関する悩みであれば弁護士や司法書士、遺品整理や生前整理の悩みについては弊社をはじめとした専門業者に相談してください。
弊社仙台不用品回収サービスは、生前整理・遺品整理・不用品回収に特化したプロ業者で、遺品の仕分けから処分までまとめて対応いたします。
「遠方にご実家がある」「遺品整理について詳しくない」という方にも安心していただけるよう、無料見積もりや無料相談に対応しています。
宮城県内の遺品整理でお悩みがあれば、ぜひ一度、仙台不用品回収サービスへお問い合わせください。