形見分けとは、生前お世話になった方々に故人の愛用品を贈る風習を言います。
形見分けには、守るべきマナーや注意点がいくつかあるものの、「知らない」という方が多いのも事実です。
そこで今回は「形見分けがはじめて」という方に向けて、マナー・タイミング・注意点などといった、形見分けの基本について解説します。
ぜひ最後まで参考にしてください。
目次
形見分けとは
形見分けとは、故人の愛用品を、生前親交のあった人に対して贈る習慣をいいます。
形見には魂が宿っているという考えのもと、生前お世話になった方々へ遺品を贈ることで、故人の供養をします。あくまでも、形見分けで贈られる品物は「財産的価値がないもの」に限られ、資産や高価なものは該当しません。
「形見分け」に類似した言葉として、「遺品整理」「遺産分割」がありますが、それぞれの違いはどのようなものか理解しましょう。
形見分けと遺品整理の違い
遺品整理とは、故人が使用していた生活用品や家具、電化製品などを片付けることを指します。
遺品整理はいわば、身辺整理です。物品を「いる」「いらない」「リサイクルする」の3つに分別し、それぞれ適した方法で片づけていきます。
遺品整理を進めるなかで、故人が愛用していた衣服・アクセサリー・嗜好品など「財産価値はないけれど捨てられない」という物品が出てくるでしょう。そういった物品を、家族や友人に贈ることを、形見分けというのです。
形見分けと遺産分割の違い
遺産分割とは、故人が遺言書を残していない場合に、遺産について相続人全員で協議し、分配することを指します。
遺産分割は、あくまでも資産や不動産といった財産についての取り決めで、財産的価値がない物の取り扱いまでは触れません。ただし、美術品や骨董品など高価なものについては、相続財産として遺産分割で協議される内容となります。
故人が遺言書を遺していない場合、財産的価値がある品物は相続人全員の共有状態となっています。共有状態にある遺品を他人に贈る行為は、相続トラブルのもとです。
形見分けは、遺産分割を終えたあとに行ってください。
形見分けを行うタイミング
忌明けに形見分けをすることが一般的とされていますが、原則決まりはありません。
したがって、形見分けするタイミングは、以下の2パターンから考えられます。
- 相続人が集まるタイミングで実施する
- 宗派の忌明けのタイミングに沿って実施する
特別な事情がなければ、遺産分割協議・遺品整理を終わらせたあと、親族が集まるタイミングでの形見分けがおすすめです。「故人の宗派に沿った形見分けをしたい」という場合は、これから紹介する宗教別の忌明けのタイミングで形見を分けると良いでしょう。
宗教ごとの忌明けのタイミング
宗教ごとの忌明け(形見分けをすべきタイミング)については、以下のとおりです。
形見分けのタイミングについての詳細が知りたい方は、下記の関連ページもあわせてご覧ください。
▼関連ページ
形見分けはいつ行う?最適な時期とは?|形見分けのキホンを知ろう
形見分けのマナー
形見分けには、以下の4つのマナーが存在します。
- 目上の人には渡さない
- 品物の手入れをしてから渡す
- 品物はそのまま渡す
- 高価な遺品は渡さない
それぞれ解説します。
目上の人には渡さない
形見分けでは、故人よりも目上の人にしないことがマナーです。
一般的な形見分けは、故人よりも下(子・孫・甥・姪・後輩・部下など)に分けるものとされています。
ただし、近年では形式にとらわれない多様的な形見分けが増えてきており、立場にかかわらず贈るケースがあります。故人の強い意向や目上の人からのお願いがあった際は、形式に深くとらわれず、贈ってあげると良いでしょう。
品物の手入れをしてから渡す
形見分けの際は、品物の手入れをしてから贈りましょう。
故人が日常的に使用していたものは、傷や汚れがついていることがあります。人にプレゼントを贈る際と同様に、キレイな状態で贈れば受け取り側も大変喜ぶでしょう。
すでに破損している物や古すぎるものは、相手が要望しない限り贈らないことがベターです。
品物はそのまま渡す
形見分けで贈る遺品は、そのまま手渡しすることがマナーです。
手渡しが気になる場合は、半紙で軽く巻いて渡す程度であれば問題ありません。半紙に包む場合は、仏式なら「遺品」、神道なら「偲び草」と表書きして渡すと、より丁寧な形見分けになります。
遺品が無く、現金での形見分けとなる場合は、無地の封筒に入れての手渡しがマナーです。
高価な遺品は渡さない
形見分けでは、高価な遺品を渡さないことがマナーです。同様に、現金での形見分けの場合も、多額のお金を贈ってはいけません。
前提として、高価な遺品は相続財産の一部として扱われるケースがあるため、人に譲ると相続や贈与の観点からトラブルに発展するリスクがあります。
あくまでも、形見分けで贈る遺品は「財産的価値がないもの」であることに注意しましょう。
形見分けのポイント
形見分けする際のポイントは、以下のとおりです。
- 形見の価値を調べておく
- 遺産分割を完了させておく
- 無理に形見を渡さない
それぞれ解説します。
形見の価値を調べておく
形見分けする際は、あらかじめ遺品の価値を調べておくことがポイントです。
一見価値が低く見えるものでも、「調べてみたら高価だった」というケースが少なくありません。価値にして110万円以上の品物を贈ってしまうと、受け取り側は贈与を受けたとして、税金を納付しなくてはなりません。
あまりに高価なものを形見として贈ると相手に迷惑がかかるため、必ず遺品の価値は事前に調べておきましょう。
相続人全員の同意を得る
形見分けするまえに、相続人全員から同意を得ることが大きなポイントです。
相続人全員に同意を得ずに形見を持ち帰ったり贈ったりすると、「不公平」を理由に、あとからトラブルに生じる可能性があります。
親族間トラブルを避けるためには、相続人全員で「誰が何を貰うのか」を話し合いましょう。相続人以外の人に形見を贈る場合は、あらかじめ相続人全員に同意を得ることがポイントです。
無理に形見を渡さない
無理に形見を渡そうとしないことも、形見分けのポイントです。
故人を思う気持ちから「ぜひ形見を受け取ってほしい」と勧めたくなる気持ちもありますが、相手にとっては負担に思うこともあるでしょう。
無理に渡そうとすることは、故人を偲ぶどころか、自分のエゴを押し付ける行為になりかねません。一度相手に断られたら、無理に渡そうとするのは控えましょう。
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